沖縄山城間院長谷寺 沖縄に初の真言宗豊山派寺院 |
管長迎え十一面観音開眼 |
沖縄に初めての真言宗豊山派寺院「沖縄山城間院長谷寺(おきなわさん・しろまいん・はせでら)」(岡田弘隆住職)が誕生した。1月30日、鳥居愼譽管長、浅井侃雄宗務総長をはじめとする宗派・本山役職者70人余、御詠歌講有志70人余が参列して本尊十一面観音の入仏開眼法要が盛大に営まれた。これに先立って怨親平等の精神から、沖縄戦犠牲者の万霊慰霊法要も営まれ、兵士や軍属、一般民衆の犠牲者を偲び、平和を祈念した。
沖縄山長谷寺は東京・江戸川区の泉福寺住職で宗派顧問弁護士の岡田氏が3年前に発願。夢告で「汝は沖縄の地に赴き我(総本山長谷寺本尊の十一面観世音菩薩)を本尊として三十三観世音菩薩霊場を開創すべし」との言葉を賜ったという。 また岡田氏の師父が一兵卒として徴兵され、沖縄戦線におくられた。しかし奄美沖を航行中に米軍機に撃沈され、それがもとで戦病死。こうした体験も慰霊のための寺院建立を後押しした。 寺基は糸満市潮平。平和祈念公園がある摩文仁の丘の西側に位置する。所有者の理解も深く、敷地1300坪と伽藍となる邸宅180坪を譲り受けた。本尊十一面観音は仏師、松本明慶師によるもので、光背を含め丈八尺(約5.45メートル)。諸儀式はこの本尊前で行われることになる。 開眼法要では、地元の潮平地区をお練り。本土から渡った150人余の僧俗が練り歩いた。正式な僧衣を初めて見る住民がほとんどで感動したように見入っていた。 法要に入り、鳥居管長や職衆が整然と並び、古式にしたがって本尊十一面観音が開眼された。表白文で鳥居管長は本尊十一面観音の由来を紐解くと共に、「先師が今次大戦にて戦病死なされ、悲母の労苦を目の当たりに成長し、その戦禍の悲惨さを哀れみ、未だ訪れぬ世界平和を希求する精神をも併せて請い願うを大願として決意に到る」と岡田氏の心境を代弁して奉じた。 これに先立ち、摩文仁の平和の礎(いしじ)で沖縄戦犠牲者に対する怨親平等の万霊慰霊法要を執行。鳥居管長を導師に宗派役職らも参列し、平和を祈念した。
開眼法要を終えた岡田住職の話 「松本明慶大仏師の作になる大仏観音様の教えがこの地に広まる機縁となり、また今後の沖縄三十三観音霊場開設の端緒となったものと思っています。法要の最後は管長猊下による『おさずけ法要』が行われ、沖縄の地に豊山派の法統が伝えられた。受者参加者はその後も感激を語り継いでおります」 |
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更新日:03/02 |
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